7号館前のアウトドアラーニング空間、森林伐採の影響
国際文化学科マクマレイゼミでは、毎月19日(いい句の語呂から)を、俳句を詠むこと推奨としています。1月11日、国際文化学科の学び舎である7号館前で、多くの学生が言葉を失う出来事がありました。国際文化学科の学生たちが日常的に集い、憩いの場として親しんできた「森のガヤカフェ」前の、名もなき森林のスペース。ティーチングアシスタントを務める筆者と、国際文化学科のマクマレイ教授は、屋外スペースを活用した講義実践方法を模索し、ビジネス英語・マクマレイゼミ・外国事情Ⅰ・の講義にて履修する学生たちがより深い学びを得られるよう、インスピレーションを得る場所として活用していました。その象徴とも言える樹木たちの伐採が、事前告知なく開始された光景を今でも鮮明に覚えています。筆者と国際文化学科のマクマレイ教授は、次々と切り倒されていく木々の姿を前に、ただ呆然と立ち尽くすばかりでした。キャンパスの風景の一部として当たり前に存在していた緑が失われていく光景は、私たちを含む7号館を拠点としていた学生たちに大きな衝撃を与えています。マクマレイ教授自身、2000年から本学にて英語俳句とJapanologyの指導を始めて以来、屋外スペースを活用した「俳句ウォーク」を実践してきました。

学びと交流を支えた、森林空間は学生や教職員、さらには地域の方々にも愛される「集いの空間」であり、本学が推進するアウトドア・ラーニング(屋外学習)の拠点でもありました。自然の恵みを肌で感じることができる森は、夏場でも心地よい日陰を作り、爽やかな風が通り抜ける快適な空間を作り出していました。この様な開放的な環境で英語教育の新しい形を模索し、教育へ活かす可能性を実践するのにこれ以上ないロケーションでした。しかし今では、直射日光が激しく光を遮る空間が少ないことから、暑さを訴える学生が増えました。そして、伐採が行われた場所の足元が惨い姿で放置され、大雨が降った際土砂崩れが起きないか心配する声も耳にします。
失われた「風景」を惜しむ声が響きます。「あの日陰が好きだった」「ここでの語らいが大学生活の楽しみだった」という声が、いま学内のあちこちから聞こえてきます。ここで展開されていた屋外授業は、教室の壁を超えた自由な発想を育む、国際文化学科の象徴的なシーン創生する空間の一つでした。長年かけて育まれてきた「学びの環境」が形を変えてしまうことは、学生たちにとって非常に残念な報せとなりました。緑豊かなキャンパスのアイデンティティをどう守り、継承していくのか。この場所に寄せられていた学生たちの想いを受け止める空間が求められています。
7号館前の景色は一変してしまいましたが、あそこで生まれた対話や学びの記憶が消えるわけではありません。この場所が今後どのような姿になるのか、引き続き注視していきたいと思います。
国際文化研究科博士前期課程2年 原 有輝
(写真はすべてマクマレイ研究室提供)

