映画を活用した英語授業の実践

7号館玄関にて(写真はすべてマクマレイ研究室提供)

9月29日(中秋の名月の日)、今学期初めての授業で映画 「いまを生きる(Dead Poets Society)』を視聴しました。

金曜1限は、大学院生10名も含む「英語教育法Ⅱ」の最初の講義でした。授業が始まると同時に、私たちは中庭へ行きました。そして、私達を一輪のバラのそばへ連れていき、ある詩を朗読されました。「Gather ye rosebuds While ye may Old times are passing」これは、17世紀にイギリスの詩人ロバート・へリックによって書かれた詩です。また、その後、先生は7号館1階にある絵画の前でこうささやかれました。「Carpe diem, carpe diem…」 これはラテン語で「Seize the day(今を生きよ)」という意味です。大学院一年生の志摩美月さんは、「教室に戻った後にわかったのですが、実はマクマレイ先生はある映画の一幕と同じことをなさっていたのでした。私たちは少し戸惑っていましたが、これからこのクラスを受講していくにあたってマクマレイ先生からの激励のメッセージと私たちはこのお言葉を受け取りました」と言いました。

金曜日の2、3,4限も名月について英語俳句と短歌を詠みました。

金曜5限の英語特殊講義授業ではまず、松尾芭蕉が詠んだ美しい俳句を楽しみました。そして私の指導のもと、生徒たちはこれらの俳句の意味を理解することができました。それから、「いまを生きる」から、教師が型破りな手段を使って生徒に教える様子を描いた場面をもう一度見ました。それから教室を出て、学校の芝生に置かれた椅子に座り、月が昇るのを待ちました。この間に全員が自分の作った俳句を披露し、自己紹介をしました。椅子に座った生徒たちは熱心に耳を傾け、他の生徒の発表が終わると、それぞれが最も興味を持った質問をしました。笑顔で素晴らしい時間を過ごしました。大学院1年生が徐芸博が庭の紫の花を眺めながらこの短歌を詠みました。

I’m in love with you
without having anything
as I was just born,
now you have a gorgeous coat
maybe in the purple rain

吾子愛(いと)し
何ももたずに
生まれけり
今綺羅飾る
紫雨の中かも

本学の英語教育においては、リーディングやリスニングのような受け取るための能力のみならずスピーキングやライティングのような伝達能力の伸長も重視されるようになってきました。筆者はリーディングやリスニングの授業で、スピーキングやライティング能力向上の一助として、本大学で「いまを生きる」を視聴しています。英語でのプレゼンテーション課題を課すことで学生のスピーキング力の向上を、英文での俳句レポート課題を課すことでライティング力の向上を、さらにはクリティカル・シンキングの力を伸ばす上で寄与するところがあると考えたからです。

国際文化学科教授 マクマレイ デビッド(国際俳句・英語教育)

7号館前で