コロナ時代を生きるヒントをシェイクスピアに学ぶ

オンライン会議システム「Zoom」を用いて行われたリモートの講演会の様子(小林潤司研究室提供)

1月9日に国際文化学部主催のオンライン講演会が開催されました(日本シェイクスピア協会が後援)。講師は東京大学教授で日本シェイクスピア協会会長の河合祥一郎先生、テーマは「コロナ時代の生き方をシェイクスピアに学ぶ〜人は一人で生きるのではない」。

オンライン会議システム「Zoom」で行われた講演会では、大坪治彦学部長の挨拶、小林潤司教授の講師紹介に続いて河合先生が講演。シェイクスピアが、ヨーロッパで黒死病(ペスト)が周期的に大流行した時代を生きた一市民でもあったことを確認したあと、中世から近代のはざまに成立したシェイクスピア劇に見られる主体(個)の意識のありようを台詞の分析を通して考察。ヨーロッパにおける個人とそれを取り巻く世界(社会、宇宙)との関係をめぐる概念史を参照しながら、コロナの時代にシェイクスピアを読み直す意義をわかりやすく解説してくださいました。

質疑応答では、日本の能に内在する鎮魂の動機と共通する要素がシェイクスピア劇にも見られるかなど、刺激的な問題が提起され、和やかに議論が行われました。

オンライン講演会には約130名(ライブ視聴のみ)が参加。県内はもとより県外、海外からの参加者もおられたほか、国際大の学生に加え、首都圏や海外の大学(大学院)の学生さんも多数参加してくださいました。

参加者からは、「シェイクスピアの理解の仕方が深まりました。哲学的にも私達が今考えねばならないことが再認識できました」「都内在住だったので、オンライン開催で良かったです!」「大きな振り子の軌道のように、あるいは螺旋階段を昇るように、見えるものと見えないものとの間を行き来しながらのお話がとても楽しく、興味深かったです」など(ご参加者アンケートから)、ありがたいご意見が寄せられました。