カナダ大使館参事官が来学

特別講義を行なうハロルド・ウオルフ参事官

2019年、カナダと日本は国交樹立90周年を迎えた。これを記念し、9月27日に在日カナダ大使館と鹿児島国際大学のデビッド・マクマレイ教授が「外国事情」(国際文化学科専門科目)と「英語特殊講義」(大学院国際文化研究科博士前期課程科目)で特別講義を開催した。

カナダ大使館からハロルド・ウオルフ氏(移民担当参事官)、竹田氏(プログラムアシスタント)と、一般社団法人 日本ワーキング・ホリデー協会より藤田氏(エリアマネージャー)、水上氏(カウンセラー)を迎え、国際文化学部の学生65名と大学院生20名が「移民の話」「カナダワーキングホリデープログラムの経験」について話を聞いた。ここでは「移民」「海外留学」「多様性」をキーワードに自律的で持続可能な社会とはどのようなものか、特に近年注目されているカナダでの活動に焦点をあて、本質を突いた質問をした学生に対しては、国交樹立90周年記念のシルバーピンが贈呈された。

講義の間、参加者は熱心に耳を傾け、質問した。水上氏への「カナダで興味を持っているもの、また、魅力はなにか」との質問には、「カナダにはいろいろ興味の持てるものがある。自然・風景・地元の人々のやさしさや独特な食べ物も魅力だ。」と答えた。

国際文化学科4年生の高吉智子さんはウオルフ氏に対し「最近の経済移民の職種の傾向、またはカナダに移民希望の若者、特に学生に望む技能の種類は何か。」と尋ねると、「まずは、語学能力が必要である。専門技術としては、IT技術、料理技能などである。しかし、最も重要なものは、異国での適応能力である。」と述べた。

国際文化研究科博士課程2年の平田ひかるさんはウオルフ氏に対し「私は日本語教員を目指している。外国人労働者の受け入れを拡大する改正出入国管理法が4月に施行されたが、日本語教員の給与も含めた日本語教育の環境整備が追いついていないように感じる。一方で、多様性の国として一歩先を行くカナダ政府は外国人に対してどのような教育を図っているのだろうか」と尋ねたところ、「カナダ政府は永住権を取得している外国人に対する教育に、移民政策予算の60%を充てている。残りの40%は社会保障などに充てられている」と回答した。

今回の講義では、ワーキング・ホリデーの経験者や移民参事官から直接話を聞くという大変貴重な機会が与えられた。これをきっかけにカナダに興味を持ち、留学やワーキング・ホリデーなどに参加する学生が増えることが期待される。

国際文化学科2年 川島 綾佳