ディベート通して英語俳句学ぶ――マクマレイゼミが鹿児島高校で「未来探求」授業

ディベートに取り組む高校生の皆さん(マクマレイ研究室提供)

5月から3回にわたり鹿児島高校の「未来探求」に訪問し、3-way discussionを行なってきたが、最終日の6月20日は、今までとスタイルを変えた典型的なディベートの形で俳句を題材とした「俳句甲子園」を実施した。「俳句甲子園」とは、4人1グループを作り、日本人が作った俳句を英語に翻訳したものと外国人が作った俳句を用意し、日本俳句チームと国際俳句チームでディベートを行うというものである。このディベートに挑戦したのは、2回目となる3年7組の生徒たち。2回目だったこともあり、生徒たちは緊張している様子を見せず、前回よりも元気があり賑やかな様子だった。

授業では、日本の俳句・国際俳句それぞれの魅力を本学学生がプレゼンテーションで発表し、高校生の理解を深めた。その後6つのグループに分かれ、それぞれのグループで俳句を1つ選び、日本俳句チーム対国際俳句チームでディベートを3試合ずつ行なった。まず、1人目が自分のチームの俳句を詠み、2人目で相手チームに質問、3人目は質問に対して答え、4人目でまとめるという流れでディベートを進めた。英語俳句にあまり馴染みのない高校生にとって、初めは短い文の中に込められた情景を想像することに苦戦していたようだったが、マクマレイ教授や学生のサポートにより英語俳句の理解に進んで取り組んでいた。普段の授業で友達と話す活動が少ない高校生にとって、ディベートの時間は楽しそうに取り組んでいたようだった。また、小グループでのディベートだったので、生徒全員が英語を口にする機会があった。その一方で、3-way discussionに比べ、意見を考えてまとめる時間が少ないため、言葉に詰まる生徒もおり、高校生にはディスカッションよりディベートの方が難易度の高いように見受けられた。

英語ディベートは、スピーキング力だけでなく、論理的思考力の定着効果が高いため、最近では高校での英語授業にも導入されてきている一方で、ある程度の英語力がないとディベートは難しいという不安の声も上がっている。学習者の英語力の欠如を補助しつつ英語力や論理的思考力も定着させるためにも、生徒のレベルにあった過程を経てディスカッションまたはディベートの形にすることが求められるのだろう。

大学院国際文化研究科修士課程2年   池田 佳奈美