東京研修レポート (2)――移民経済とマーケティング講義を通じた実践的学び

東京研修2日目の25日は中央大学多摩キャンパスにて、「Immigration Economics(移民経済)」をテーマとした特別講義が行われました。午後には創価大学に移動し、「マーケティング」をテーマにした特別講義が実施されました。
中央大学での講義では、マクマレイ教授が日本とカナダの移民政策の現状を比較しつつ、移民の経済的な利点や課題について詳しく解説しました。特に、移民が労働市場や社会保障制度に与える影響、さらには経済成長への寄与や移民受け入れに伴う課題について、具体的なデータや事例を用いて説明が行われました。また、筆者も、今年3月にカナダを訪れた際に感じた多様性についてプレゼンテーションを行いました。
移民としてカナダに暮らす人々との交流を通じて実感した、多文化共生の重要性を強調し、カナダの移民政策が社会や経済にどのように統合されているのかについて、成功事例を交えて紹介しました。これにより、学生たちは移民政策とその実際の運用が経済や社会に与える影響について、より実践的な視点から学ぶことができたと思います。
中央大学には多くの外国籍学生が在籍しており、講義では多様な視点が交差する中で、非常に有意義なディスカッションが展開されました。学生たちは移民に関するさまざまな意見や考えを発表し、活発な議論が行われました。こうした交流を通じて、移民問題の複雑さやその社会経済的影響について、多角的な理解を深める貴重な機会となりました。
午後に訪問した創価大学では、「マーケティング」をテーマにした特別講義が行われました。マクマレイ教授は、伊藤園のマーケティングキャンペーンを取り上げ、俳句と企業ブランディングの融合を事例に、文化的要素と創造性がいかにブランド戦略に組み込まれているかを解説しました。講義では、伝統的な日本文化(俳句)と現代的なマーケティング戦略がどのように結びつき、効果的なプロモーションが生まれるのかについて深い考察が行われました。さらに、前期博士課程2年の原有輝さんによる「リアルケースに基づくマーケティング事例」のプレゼンテーションも行われました。
原さんの発表では、資源の有効活用や付加価値の創出に関する実践的な知見が紹介され、特にグローバルな販売戦略を通じて、どのように製品の付加価値を高め、国際市場へ展開していくかについて詳しく述べられました。この講義は、実際のビジネス現場を反映した内容であったため、学生たちから多くの質問やコメントが寄せられました。特に、顧客ターゲティングやSDGsとの関連について関心が高く、学生たちはマーケティング戦略の背後にある社会的な視点にも興味を持ち、理解を深めることができたようです。
今回の東京研修2日間を通じて、参加者一人ひとりがそれぞれの役割や目的を持ち、非常に充実した学びの機会となりました。
国際文化学科3年 有水 海翔
