海外研修で見つけたカナダの自然と多様性——日本文化との比較を通して

私はこの春休み、「公益社団法人三州クラブ海外研修助成事業」の研修生として、カナダ・トロントへ渡航する機会をいただきました。
今回の研修では、助成により研修費用の一部をご支援いただき、2週間にわたってカナダに滞在しました。前半の1週間は、多様性にあふれる大都市トロントで過ごし、後半はゼミの担当教授であるマクマレイ先生とともに、自然豊かなハリバートンにて研修活動を行いました。
「気候変動により、俳句が詠めなくなるかもしれない」これは、日本文化が気候変動によって喪失の危機にあることを示唆する言葉です。この言葉は、マクマレイ教授が昨年新聞の記事で述べたもので、気候変動によって季語と実際の季節との間にずれが生じ、俳句を詠む上で違和感が生まれる可能性について言及されていました。私はこの言葉を重く受け止め、今回の研修のテーマを「気候変動がもたらす、世界の文化と自然への影響」と定めました。
現地では、博物館や自然保護公園など十数カ所の施設を訪問し、気候変動や環境問題に関する取り組みについて多くの学びを得ました。印象的だった学びを、2つ紹介します。
まず1つ目は、日本とは大きく異なる多様性のある社会です。近年、日本でもLGBTQなどの言葉を耳にする機会が増えてきましたが、トロントではそれが日常の中に自然に溶け込んでいました。たとえばショッピングモールのマネキンには、白人・黒人、スリムな体型・ふくよかな体型など、さまざまな人を表現したものがありました。このような配慮からも、多様性を尊重する社会の姿勢を感じました。
2つ目は、高いリサイクル意識です。日本でもリサイクルに対する関心は高まっていますが、カナダではそれがさらに徹底されていました。スーパーマーケットではビニール袋の提供がほとんどなく、不織布のエコバッグや紙袋が主流でした。また、ストローやカトラリーも、生分解性や木材製のものが使われており、環境に配慮した取り組みが日常的に行われていました。
私は将来、航空業界への就職を目指しています。今回の研修では、その航空業界と深く関わる気候変動について多くのことを学びました。これらの学びは、就職活動だけでなく、残りの大学生活にも大いに活かせるものだと感じています。
そしてこの経験をより多くの人に伝えるため、今後は三州クラブや大学で研修成果の発表会を実施する予定です。気候変動という大きな課題、そして海外の魅力を、より多くの人と共有していきたいと考えています。
国際文化学科3年 有水 海翔(マクマレイゼミ)
