紫式部日記絵巻展示会

2020年12月16日から2021年3月31日まで、鹿児島国際大学附属図書館エントランスホールにて、図書館資料の五島美術館蔵『紫式部日記絵巻』複製品展示会を開催しました。武藤那賀子准教授と武藤ゼミ生の有志が2018年に結成した古典文学を読む会で解説を作成しました。

『紫式部日記』を絵巻にした『紫式部日記絵巻』には、絵と絵詞がかかれています。解説を作成する際は、くずし字(漢字をくずして作られた常用のひらがなとは異なる字体のかな)になっている絵詞を現行のひらがなと漢字になおす「翻刻」の作業と、翻刻をもとに教科書に記載されるような形に訂正する「校訂」を行い、校訂本文に注をつけ、場面の解説を掲載しています。

今回のこの活動のテーマの一つは「詞書から絵を読む」ということです。絵に描かれていることと詞書に書かれていることでは違っている部分もあります。そのような箇所では、『紫式部日記』に書かれていることと、絵に描かれている人物の服飾や位置、仕草などを照らし合わせて、絵を読み解き解釈していきました。

中学校、高校では古典作品を読むことが主な学習活動になりますが、大学ではこのように文章だけでなく絵と合わせて作品に触れ、考察を行うという学びができます。さらに展示会や資料として活動が形に残るため、達成感もひとしおです。

国際文化学科4年 岩元 涼夏