東京での3泊4日のゼミ合宿

町田久成像(写真はすべて武藤研究室提供)

国際文化学科武藤那賀子ゼミ(日本古典文学)では9月4日からの4日間でゼミ合宿を行いました。大まかなスケジュールは以下の通りです。

1日目 斯道文庫の見学
2日目 迎賓館赤坂離宮の見学と上野動物園(国立西洋美術館が休館していたため、急遽予定変更)
3日目 国立科学博物館と東京国立博物館見学
4日目 清澄庭園と深川江戸資料館、富岡八幡宮の見学

1日目の斯道文庫では、普段ならガラス越しにしか見られないようなものを沢山見せていただきました。実際に実物を手で触れて近くで見ることで、細かいところまで気づくことができました。質感や重さなどは触らないとわからないので、それを実際に触らせていただけたのは、とても貴重な経験になりました。

2日目は迎賓館赤坂離宮に行きました。本館・別館・庭園の全てを見学しました。別館は、ガイドさんの案内付きで巡りました。迎賓館は明治42年に建設された後、外国の賓客を国として接遇するための施設の必要性が高まり、昭和49年に現在の迎賓館赤坂離宮が完成しました。正門から始まり、庭園、本館、別館と、それぞれ雰囲気が異なってはいるものの、異質にはならないという絶妙なバランスを保っているように感じました。本館は豪華なシャンデリアや部屋を広く感じさせるための大鏡、大きな天井画など、思わず息をのんでしまうような空間が広がっていました。別館は、洋風な本館とは異なり、和風な造りになっていました。本館の豪華絢爛な感じとはまた違い、落ち着いた雰囲気で、昔ながらの日本の美意識を感じることができました。

3日目は国立科学博物館と東京国立博物館を訪れました。国立科学博物館では常設展と特別展「海-生命のみなもと」を見ました。国立科学博物館は日本館と地球館に分かれており、日本館では「日本列島の自然と私たち」、地球館では「地球生命と人類」というテーマでそれぞれ展示が行われています。日本館は日本列島の生い立ちや、日本人の形成過程などをが展示を通して理解できました。中でも、江戸時代の女性のミイラの展示がとても印象に残っています。形だけでなく、顔つきや体勢、よく見ると爪や髪の毛まで残っていて、肉眼で認識できるほどでした。女性のミイラは、昨年のゼミ合宿で国立科学博物館を訪れた際も展示されていたのですが、説明の動画が昨年よりも詳しくなっていたり、昨年は気づけなかったことにも新しく気づくことができたりして、とても興味深かったです。地球館には膨大な量の動物の剥製が展示してあり、迫力のあるその姿は、今にも動き出すのではないかと思うほどでした。

東京国立博物館では刀剣や暮らしの調度品、巻物、屏風、彫刻など、様々なものが展示されていました。展示品は、重要文化財や国宝のものも多く展示されていました。また、東京国立博物館の敷地内には、初代館長を務めた町田久成の銅像が置いてありました。6月に行ったゼミのフィールドワークで訪れた薩摩留学生記念館で、町田久成については事前学習をしていたので、ゼミ合宿でそれと結びつけられました。

4日目は清澄庭園と深川江戸資料館、富岡八幡宮を訪れました。清澄庭園は東京都の名勝に指定されており、芭蕉の句碑や池に突き出るようにして建てられた涼亭、池の端に石を点々と置いて、そこを歩けるようにした磯渡りなどがありました。庭園の中を歩いて回ると、当たり前ですが場所によって見える景色が全く異なり、庭園を目で楽しむことができました。

次に訪れた深川江戸資料館は、江戸時代の街並みを実物大で再現したものを見るだけでなく、触って体験したりすることができました。資料館の中は、明るさや音で一日の移り変わりを演出しており、長い時間いても飽きないような工夫がされていました。建物内に入って家の中を見ることができたり、家の中においてある物や資料に触れたりして、当時の情景を思い描くことができました。

富岡八幡宮は江戸推進相撲発祥の地で、横綱の力士名が刻まれている横綱力士碑や、江戸時代に活躍した力士・釈迦ヶ嶽(身長2m26㎝、体重172㎏)等身碑などがありました。横に並んでみると、本当にこんなに大きい人がいたのかと疑いたくなるほど大きく、驚きました。

今回のゼミ合宿で、鹿児島では学べないようなことを、沢山学ぶことができました。後期もまたゼミでのフィールドワークを実施する予定なので、今回得た学びを今後のゼミ活動に活かしていきたいです。

国際文化学科4年 横山 華菜子